ひとことで『屋根材』と言っても実は様々な種類の屋根があります。それは、長年の歴史の中で日本人が開発してきた物語でもあります。
違う角度から『屋根材』を表現すると、①コスト面、②お家の長期耐久性面(屋根が重たいと家が長持ちしませんもんね)、③耐候性面(日本各地の自然環境の中で劣化から守るため)、④意匠性面(見た目のオシャレ)、によって様々な屋根があるというのが現状です。
分類の仕方は様々ですが、ここでは、以下の7つのタイプに分けて説明しています。それぞれの特徴がありますので、順番に見て参りましょう!
1.瓦(セメント瓦・陶器瓦)
瓦屋根(陶器瓦)は、粘土を使った焼き物なので見た目もよく、さらには耐久性にも優れています。また、断熱・遮音性に優れ、メンテナンスにあまり手がかかりません。もちろん、塗装工事の必要性もありません。
ただし、屋根としてはかなりの重みがあるため、最近の一般住宅ではあまり使われなくなりました。だからこそ、今も瓦の屋根を乗せているお宅は「立派なお宅」という印象がありますね。
セメント瓦は、セメントと砂を原料にしたものであり、厚型スレートとコンクリート瓦の2種類があります。コスト面を抑えながら、従来の「瓦」のように魅せる瓦として誕生しました。陶器瓦と比べると耐候性は落ちますが、それでも長持ちをする素材であり、塗装工事をすることで、さらに長持ちさせることも可能です。
2.スレート瓦(コロニアル・カラーベスト)
スレート瓦(コロニアル・カラーベスト)はセメントと石綿(アスベスト)が主原料のスレート屋根材です。良いところは瓦より軽く、安価に葺くことができる点です。
デメリットとしては、薄いので割れやすく、苔・藻・カビなどが発生しやすい点や、構造上湿気が溜まりやすく野地板も傷みやすいため、築年数によっては葺き替えが必要な点があげられます。
施工時は、洗浄して素地が出てくると酸化して割れやすくなるため、水を吸いやすくなり、何度も下塗りをしなければならいことがあります。
スズモトリフォームでは、高価ではありますが、スレート屋根の下塗り剤には、「ETERNITYex2」という浸透造膜プライマーを使っております。しっかりと膜を張り、一発で綺麗に仕上がる優れものですので、手間を抑え、お客様にとってもコストパフォーマンスの良い工事を提供できております。
3.トタン屋根
トタンなどの金属はとにかく錆やすいため、錆にくくする工夫がポイントになります。
まず、下塗りを塗る前に、付着した錆や汚れを削る作業(ケレン)が大切です。錆び方に合わせた道具を使って削ります。時には補強することもあります。
その後に、錆止めを塗るのですが、一口に錆止めと言っても様々な種類があり、錆の深さによっては「特殊な錆止め」を使うこともあります。特に、亜鉛メッキ加工されている金属などは、接着性の優れた下塗材(プライマー)が必要です。
一般的には、一液の錆止めを塗るところが多いようですが、スズモトリフォームでは金属の状態に合わせた特殊な錆止めを常に複数用意しており、手間はかかりますが、丁寧に使い分けています。
※ちなみにトタン屋根は「鉄」と「亜鉛」の合金です。
4.ガルバリウム鋼板屋根
ガルバリウム鋼板は、トタンにアルミを加えて強化した屋根材です。耐熱性・耐震性・耐久性に優れており、酸性雨の酷い地域や海岸地域(塩害)などでも優れた耐久性を発揮します。
デメリットとしては、雨音が気になったり(防音性)、アルカリ性との相性は良くないことなどがありますので、施工する「環境面」にはよく気を払うようにしています。
ちなみに、ガルバリウム鋼板屋根は横葺き・縦葺き・瓦長葺きの3種類ありますが、屋根の勾配によっても「向き・不向き」があるため、葺き方の選定にも注意が必要です。
5.アスファルトシングル
アスファルトシングルは北米カナダで開発された一般的に普及している屋根材で、アスファルトをガラス繊維(グラスファイバー)に含浸し砂粒で表面を着色して作るのが主流です。
意匠性と優れた機能性があり、軽量で加工しやすいという魅力もあります。他の屋根材で見られるような錆やひび割れといったトラブルがありません。
コロニアル屋根やガルバリウム鋼板屋根は数多く釘を使うため、下地となる防水材(アスファルルーフィング)に多くの穴を開けてしまうのに対し、アスファルトシングルは専用のセメント(接着剤)を使用することで極力ルーフィングに穴を開けずに施工ができるのも良いところです。
6.陸屋根
陸屋根は、屋上を有効活用でき、屋根の葺き替えをしなく良いため、とても人気が高い屋根構造の一つです。
ただし、構造上、雨水が溜まりやすいため、防水処理がポイントになります。
リフォーム時の防水材は、新築時に作られた防水層に対して相性の良い防水材を使用します。一般的な防水材は、ウレタン防水・シート防水(ゴム・塩ビ)・FRP防水・アスファルト防水各種ありますが、建物の構造との相性、既存の防水との相性を十分に考慮した上で選ぶことが大切です。
防水工事は、既存防水層や建物の構造を良く見て、プラン選定することもとても重要です。
ちなみに工事種目ごとの予算目安は、以下のとおりです。
工事の種類 | 耐候年数 | 費用(㎡) | 箇所 |
ウレタン防水 | 10年 | 4,000~8,500円 | すべて |
シート防水(ゴム) | 10年 | 3,500~7,000円 | 陸屋根 |
シート防水(塩ビ) | 15年 | 4,500~10,000円 | 陸屋根 |
FRP | 10年 | 4,500~6,500円 | ベランダ |
アスファルト防水 | 15年 | 5,000~7,500円 | 陸屋根 |
7.折板屋根
折半屋根は、倉庫や学校の屋上など、広い構造の屋根として重宝されている屋根材です。電車の車窓から眺めていると、意外と見ることが多い屋根ですね。
折半屋根も「金属」ですので、「3」でご紹介したトタン屋根と同様、錆にくくする工夫がポイントになります。
まずは、下塗りを塗る前に、付着した錆や汚れを削る作業(ケレン)が大切です。その後に、錆止めを塗ってから、綺麗に塗装をしていきます。
一般的には、一液の錆止めを塗るところが多いようですが、スズモトリフォームでは金属の状態に合わせた特殊な錆止めを常に複数用意しており、手間はかかりますが、丁寧に使い分けています。
以上が、いろいろな屋根材についてでした。私たちスズモトリフォームのように、長年塗装工事を行っていると、どうしても、次の塗替え時期になると「屋根はもうそろそろ交換したい…」という意見も出てきやすいので、屋根の交換なども行っております。
塗装工事でメンテナンスできるのか、屋根の葺き替えをしたほうが良いのかも、無料診断をさせていただきますので、以下よりお尋ねください。
屋根は塗ることだけを考えれば良いのではなく、築年数によっては、屋根裏検査を実施する必要があります。防水シート(ルーフィング)や野地板の状況も細かく確認し、適切なリフォームを安価に提案することも、スズモトリフォームの強みの一つです。