塗装工事を行う際に注意しなければいけないのが塗料です。しかし、一般の人にはよく分かりませんよね。そこで、創業以来30年以上この道ひとすじのスズモトリフォームが、はじめての方でもわかりやすく、楽しく塗料の説明をいたしましょう♪
塗料の種類:『下塗り塗料』と『仕上げ塗料』
塗料には、大きく分けて2種類の塗料があります。『下塗用塗料』と『仕上げ用塗料』です。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
1.「下塗り塗料」は壁材に合わせて、分類されます。
下塗り塗料には、様々なタイプがありますが、浸透性能・防水性能・弾力性能・密着性能を高め、外壁に「仕上げ塗料」を長期に渡り密着させれる役割を果たしております。
素材に応じて、扱う塗料と施工方法が異なりますので、以下で素材ごとに分けて説明しております。
・サイディング壁
サイディングは、年月が経つと、シール切れの部分や釘打ち部・割れた部分などから雨水などが侵入し影響を生じるようになります。そのため、下塗り塗装をすることでサイディング自体に強度が出るような塗料を塗ります。
また、サイディング塗装での一番の注意点は、適切なシーリング打替え作業です。
スズモトリフォームでは、①板間目地は全面撤去を行い、②適切な材料でプライマー塗布後、②ボンドブレーカーを設置して二面接着を施しております。そうすることで、春夏秋冬の気候変動の中で繰り返されるサイディングの「収縮」に対して、シーリング材の性能を15年以上維持させることも可能となってきます。
つまり、サイディング壁を健全に長く維持させるには、上質な下塗材選定と、適切なシーリング打替え工事が重要なのです。
・モルタル壁
モルタルは、セメント系の左官壁です。特徴として、クラック(ひび割れ)や破損が多い傾向があります。
セメントはアルカリ性で強度を保っておりますが、塗装の風化やクラックなどの影響により雨水が侵入すると、酸化が進んでしまい、脆弱になり破損の原因となります。特に、「冬」は染み込んだ雨水が凍ってしまい、破損が多くみられるようになります。
洗浄時には、脆弱な部分は全部落とす強さで洗い、斫り(はつり)なども行ってしまうことがポイントです。また、破損部は、部位に合わせて様々な塗料(エポキシ系、カチオン系、エマルジョン系、その他樹脂系など)を使い分けて補修を行います。
モルタル壁の下地補修はとても手間がかかり、補修材選定を間違えると長持ちしなくなるため、スズモトリフォームの倉庫には様々な道具や各種補修材を常備しており、適切な道具・適切な材料で丁寧に補修を行っております。
スズモトリフォームには一流の塗装職人もおりますが、腕の良い大工がいることも強みの一つです。
・ALC
ALCの特徴は良いところが多くありますが、主成分がセメントであり吸水性が非常に高い材料なので、外壁表面を守る防水・塗膜が非常に大切です。また、ALCはパネルで四方がシーリング(防水)されますが建物は動くためシーリング材に負担がかかります。
そのため、修繕施工時は、しっかりとシーリングの打替えを行い、下塗り塗料には「防水性が高く柔軟性のある材料」を選定することポイントです。大き目の破損部には、エマルジョン系の専用ALC補修材を使用します。また、仕上げ塗料は下地材に合う、柔軟性があり対候性の高い塗料を使用します。
ちなみに、シーリング切れやクラックなど放置しておくと、特に「冬」はALCにしみ込んだ水分が凍結(水が膨張)し破損を生じやすくなります。
・木の壁
外壁の素材に材木(破風や木枠など)が使われている場合は、傷んだ部分を取り除き、補修材で成形していきます。成形できない部分は材木自体を入れ替えてしまい、ケレンを丁寧に行ってから、下地材を塗装していきます。
ただ、外部の木部に「塗装」は、あまり相性が良くないと考えております。材木は呼吸をするため、乾燥・多湿の繰り返しで傷みやすい素材だからです。特に、屋根の切り妻部の破風などは、雨風の影響を直接受けるため、とても傷んでいることが多いです。
そのため、スズモトリフォームでは、痛みの激しい切り妻は「ガルバリウム鋼板巻き」をオススメしています。
他社では板金屋さんに外注すること多いですが、スズモトリフォームでは自社職人が施工できるので安価に施工することができます(多能工が多数在籍)!
・金属壁(トタン・ガルバニウムなど)
金属部はとにかく錆やすいため、錆にくくする工夫がポイントになります。
まず、下塗りを塗る前に、付着した錆や汚れを削る作業(ケレン)が大切です。錆び方に合わせた道具を使って削ります。時には補強することもあります。
その後に、錆止めを塗るのですが、一口に錆止めと言っても様々な種類があり、錆の深さによっては「特殊な錆止め」を使うこともあります。特に、亜鉛メッキ加工されている金属などは、接着性の優れた下塗材(プライマー)が必要です。
一般的には、一液の錆止めを塗るところが多いようですが、スズモトリフォームでは金属の状態に合わせた特殊な錆止めを常に複数用意しており、手間はかかりますが、丁寧に使い分けています。
・スレート瓦(コロニアル・カラーベスト)
スレート瓦(コロニアル・カラーベスト)はセメントと石綿(アスベスト)が主原料のスレート屋根材です。良いところは瓦より軽く、安価に葺くことができる点です。
デメリットとしては、薄いので割れやすく、苔・藻・カビなどが発生しやすい点や、構造上湿気が溜まりやすく野地板も傷みやすいため、築年数によっては葺き替えが必要な点があげられます。
施工時は、洗浄して素地が出てくると酸化して割れやすくなるため、水を吸いやすくなり、何度も下塗りをしなければならいことがあります。
スズモトリフォームでは、高価ではありますが、スレート屋根の下塗り剤には、「ETERNITYex2」という浸透造膜プライマーを使っております。しっかりと膜を張り、一発で綺麗に仕上がる優れものですので、手間を抑え、お客様にとってもコストパフォーマンスの良い工事を提供できております。
「下塗り塗料」は、いろいろな塗料があるようにも感じますが、体系的に並べると上記のとおりです。どれも役割としては「仕上げ塗料」と壁材を密着させるということなのですが、壁の『素材』に合った「下塗り塗料」を使うことがルールです。
※このルールを守らないと塗膜が密着しない、つまり「剥がれ」が起きるということになります。
2.「仕上げ塗料」は「耐候性」と「機能ごと」に分類されます。
仕上げ塗料は、雨・汚れ・太陽光などから家を守る役割があり、見た目の美しさを保つ役割があります。塗料によって、耐久力も様々です。
傷んだ部分は適切な修繕を施した上で、新築の時のように綺麗に直して塗装を行い仕上げていきます。色彩・デザインもお客様と相談して楽しく選び、最後にお客様に感動していただいております。
また、湘南という土地柄、海が近くて他よりも傷みやすい地域(塩害など)だからこそ、素材に応じた高性能の塗料を選定するように心がけています。
スズモトリフォームでは、耐久性に優れた2液タイプの塗料を主に使用しておりますが、混合時、分量を適正に行うために「電子計り」を使用しています。 そうすることで、塗料の性能が最大限に発揮されます。
※逆に、この点を軽視する施工店も多いようですが、同じ塗料でも差異が出てくるポイントかと思います。
無機ハイブリッド塗料
一番長持ちすると言われている塗料は「無機ハイブリッド塗料」というものです。無機とは石のような無機物を指していますが、ゴムと石を比べてたら、石のほうが硬いのはおわかりいただけますよね。そのようなイメージから、現在では「無機ハイブリッド塗料」が一番長持ちすると言われています。各塗料メーカー耐候性として20年前後を提示しており、施工店の保証制度でも15年前後が提示されています。
ただし、この無機ハイブリッド塗料で施工する方々は、現時点では全体の10%前後。費用面がお高いこと等が挙げられますし、たとえ20年間長持ちしても、デザインは変えたくなるからだと思います。
各社塗料メーカーの無機ハイブリッド塗料製品(外壁用)
塗料メーカー名 | 塗料製品名 |
プレミアムペイント | No.1 |
エスケー化研 | セラミタイトペイント |
日本ペイント | ダイヤモンドコート |
関西ペイント | ムキフッソ |
アステック | 無機ハイブリッドコートJY |
菊水化学工業 | 無機ガードZ |
水谷ペイント | |
ロックペイント | パーフェクトセラミックトップF |
大日本塗料 |
フッソ系塗料
次はフッソ系塗料です。「フッソ系塗料」は、昔のアクリル系塗料の3〜4倍程度の耐候性があり、塗料の中で一番長持ちすると言われていました。要するには、フッソ系の化学結合(蛍石)のほうがアクリル結合や、シリコン樹脂のシロキサン結合よりも強いため壊れにくい、だから塗膜が長持ちするという方程式になります。
お選びいただくお客様は、市場全体(日本建築塗装職人の会調べ2020年4月現在)でも10〜15%前後となっております。
各社塗料メーカーのフッソ系塗料製品(外壁用)
塗料メーカー名 | 塗料製品名 |
プレミアムペイント | SHANGRI-LA |
エスケー化研 | セラタイトF |
日本ペイント | デュフロン4Fルーフ |
関西ペイント | アレスセラフッソ |
アステック | マックスシールド1500F-JY |
菊水化学工業 | ビュートップフッソ |
水谷ペイント | パワーフロン#2200 |
ロックペイント | サンフロン |
大日本塗料 | ビューフッソ |
シリコン塗料
いわずと知れた人気塗料がシリコン塗料です。塗装業界でも全体の70%程度はいまだにシリコン塗料が現状であり、スズモトリフォームでも、今もシリコン塗料をお選びいただくお客様が多いのが現状です。
特にシリコン塗料の人気は、シリコン系樹脂という安定的な性質の樹脂が特徴であること、適度な耐候性やつや光沢感が高級感があるということ。予算もお手頃であることなどから根強い人気です。
また、最近のデザイン塗装の流れでも、次の塗替えを期待する反面コストを抑える意味でもシリコン系塗料をお選びになるお客様が増えています。
各社塗料メーカーのシリコン塗料製品(外壁用)
塗料メーカー名 | 塗料製品名 |
プレミアムペイント | ピュアピュアシリコン |
エスケー化研 | クリーンマイルドシリコン |
日本ペイント | ファインシリコンフレッシュ |
関西ペイント | セラMシリコン |
アステック | マックスシールド1500Si-JY |
菊水化学工業 | ビュートップシリコン |
水谷ペイント | パワーシリコンマイルドⅡ |
ロックペイント | ユメロック |
大日本塗料 | Vシリコンマイルド |
断熱塗料
そして、断熱塗料です。「断熱塗料」「遮熱塗料」等といろいろ言葉が出てきますが、スズモトリフォームでは、一般のお客様に対しては『断熱塗料』で統一しています。言葉尻よりも「わかりやすさ」が大事ですもんね。
「断熱塗料」で有名なのは、断熱塗料の草分け的な存在だった『ガイナ(GAINA)』ですが、発売されてから15年以上経過した今は、ガイナを超える塗料も次々に出てくるようになりました。そして、一昔前までは怪しい眉唾塗料だった「断熱塗料」が、今は一般塗料の仲間入りを果たしています。(2020年4月現在)
効果としては、屋根・壁に塗装することで、夏には5-7度前後温度が下がり、冬も魔法瓶のような効果でお家の中が暖まると言われていますが、まさにその通りになります。
費用面はフッソ系塗料クラス以上になるため、高級塗料クラスに属しますが、体感できる塗料ですので良い塗料で施工してもらった感は満載です。
また、断熱塗料の効果は色彩でも変わります。つまり、淡い色合いのほうが太陽の日差しを反射する断熱効果が発揮されますので、断熱塗料用のデザイン塗装も重要な点になりますね。
各社塗料メーカーの断熱塗料製品(外壁用)
塗料メーカー名 | 塗料製品名 |
プレミアムペイント | Magic(マジック) |
日進産業 | ガイナ |
エスケー化研 | クールタイト |
日本ペイント | ファインサーモアイウォール4F |
関西ペイント | ドリームコート |
アステック | スーパーシャネツサーモ |
菊水化学工業 | キクスイガイナ |
大日本塗料 | エコクール |
以上が塗料のご説明となります。ただし、スズモトリフォームでは、お客様は塗料については細かな点までご理解くださらなくて良いかと思っています。(時代によっても変わりますし、メーカーごとにそれぞれ訴求していることが違いますし、また施工店ごとに自分たちの主張が違いますので。。。)
ただ、言えることは、「塗料」は料理で言うと「食材・材料」のようなものです。いくら良い「食材」を扱ったとしても、腕が悪いコックさんでは美味しい料理はできませんよね。一方で、仮に「一般的な食材」でも、腕の良いコックさんが扱えば、一流の料理が出来上がりますよね。
腕が良いか悪いかは、天性の感覚もありますが、やはり、コックも塗装技術者も原点は経験が大事だと思います。
ですから、塗料については大枠をご理解していただくことができたら、あとは、創業以来30年以上の私たちスズモトリフォームに安心してお任せくださいね。
近年では、塗料の研究開発が進み断熱塗料や、艶が無くても(マッドな仕上がり)、汚れ・藻などが付きにくい物など様々な性能塗料が出てきています。
たとえば、屋根には、遮熱・断熱塗料を。飛行機や線路や大きな道路が近い環境にお住まいのお客様には、防音性能のある塗料を。近隣に植栽が多い場所は、藻やコケなどで傷みやすいため、汚れの付きにくい塗料選定をしております。